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イベント報告

2016.09.19

今年度友の会会員限定公演 オペラ「奥様女中」in 能楽堂

今年度友の会会員限定公演 オペラ「奥様女中」in 能楽堂
日 時
2016/09/15(木)

ご報告

豊田市コンサートホール・能楽堂友の会は、これまでにバスツアー、演奏者との交流会、そして勉強会など様々な企画で会員の皆様にお楽しみ戴いております。
そこで今回はオペラ「奥様女中」in能楽堂を企画いたしました。

この公演は、演出、脚本担当の中村貴志さんの「おもしろいですよ。やりましょう」という熱意からスタートしました。
中村さんは、昨年大好評のオペラ勉強会「魔笛」で講師をされ、テノール歌手、指揮者として、また作曲、編曲もされる多才な方です。

では、オペラ「奥様女中」について少しご紹介します。
オペラ「奥様女中」はぺルゴレージ作曲のオペラブッファで彼の代表作の一つ
です。本来は彼の作曲したオペラ「誇り高き囚人」の幕間劇として作曲され
1733年に初演。その後、「誇り高き囚人」は成功せず「奥様女中」だけが
単独でヨーロッパ中で持て囃されるようになりました。
幕間劇とは能公演で能と能の間に演じられる狂言のようでもありますね。

また、その筋書は、お金持ちの中年男性ウベルトに、幼い頃引き取られ娘の
ように可愛がられていた女中のセルピーナが、主従の関係でありながらも主人との結婚を望み、しかしお互いの気性からぶつかりあってばかりでうまくいかず、そこで策を講じて召使のヴェスポーネと共に主人を騙し、ついには彼の本心(セルピーナを愛している)を気付かせ結婚となり、めでたしめでたしというものです。

それではいよいよ開演です。当日は満席で開場前からたくさんの会員様で期待感も高まります。

まず、目を引いたのは能舞台上のチェンバロでした。青に金色の縁取りで
存在感たっぷり。
その舞台に第一ヴァイオリンの平光真彌さん、第二ヴァイオリンの宗川理嘉さん
チェロの山田真吾さん そしてチェンバロの重左恵里さんの登場、能舞台での調弦に期待感が高まり、指揮者の中村さんも登場されました。
揚幕が上がり、橋掛かりに茂山正邦さん演じるヴェスポーネの登場。
なんとその迫力いっぱいのお声が能楽堂に響き、わかりやすいせりふまわしも相まってお話に引き込まれました。
本来なら、ヴェスポーネは黙役といって、説明は字幕で行われるところ、中村先生の楽しい演出で、正邦さんの表情豊かなせりふによる進行となりました。それが実にわかりやすく、面白く楽しめました。
そして主役のお二人、ウベルト役の伊藤貴之さんとセルピーナ役の吉田恭子さん
のバスとソプラノの掛け合いは体全体で表現され、その熱演は、客席にダイレクトに届き、早いテンポであっという間の終演となりました。

秋の一夜、会員の皆様にはお楽しみいただけましたでしょうか?
友の会は これからもコンサートホール、能楽堂で皆様と素敵な時間を
過ごせますよう願っております。

最後に中村貴志さんと、なんと3日後に14世茂山千五郎襲名を控えての時期に御出演下さった茂山正邦さんに感謝でいっぱいです。ありがとうございました。(S.M)

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