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イベント報告
2016.06.06
近藤正臣さん交流会
- 日 時
- 2016/06/04(土)
ご報告
6月4日(土) 、新作能「生死の川―高瀬舟考」チケットご購入の方を対象に、近藤正臣さん交流会を開催しました。早い段階で完売になり近藤正臣さんの人気を改めて思い知ることになりました。
スリムな体系に合うブルージーンズの上下にシャツの襟を覗かす出で立ち、清潔感と垣根のない親しみやすさを醸し出して登場されました。
お話のいくつかをご紹介します。
『私は、舞台が好きです。朗読をしていて、(私の語りを)聴いてくださっているお客様から、次はどうなるのとの思いが私に伝わってくる。舞台の私とお客様が対話をし始めている。このエネルギーを吸いこみ全員が私の親戚だと感じられれば、今日のようなテンションになります』
『7割はお客様の力です。生の条件と良かったと思ってくださるお客様あってこそ成り立つライブが好きです。それに対して、テレビは映しているのはカメラ。空気の動きや香りは伝えにくいものです。
若い頃は、お客様は敵、征服しようと思ったことがありましたが間違っていました。
50歳近くになってお客様が助けてくれることが分かり、お客様に委ねることを知りました』
郡上八幡の別荘で1年のうち4ヶ月は過ごされる様子を、瞳を輝かせてお話してくださいました。
『20年前に(気持ちが)爆発するように弾け、川へ戻りたくなりました。死ぬまで現役でとは思わない、郡上で老後はのんびりと思っています。
若いころはそうではなかったのですが、今はタダで手に入るもの、そいつらと仲良くしたいと思います』
『例えば、手を入れるとジンとする冷たい水、川底の水生生物。頭を出した蕗の薹。少し出たタラの芽。2月10日の解禁日、寒いばかりで釣れなくても、じっと待つ。錆びた色のアマゴが釣れても外して放流。寒いだけで鳥も鳴いてない。樹は雪が半分被っている。地味で動かない世界、都会とは違う。
それが、お約束通り雪が解け風が吹くと春になり葉っぱが優しい色になる。贅沢な所に住んでいると実感する』
私の中に蒔かれた種、「高瀬舟」の主題の1つの「足るを知る」ということが、近藤正臣さんのお話と自然に繋がってまいりました。この種が芽を出せるように育てて行きたいと思います。
H.H